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一級建築士事務所 小川貴之建築デザイン/一級建築士 小川貴之
【Q1】まず、自己紹介をお願いします。 神奈川県川崎生まれ、川崎育ち、地元・川崎にて設計事務所を開設しています。明治大学建築学科を卒業後、都内のアトリエ系設計事務所に10年勤務した後に独立しました。現在、業務の傍ら母校である明治大学で兼任講師として学生たちに建築設計を教えています。趣味は国内外の旅行です。休日は家にはじっと過ごすことは少なく、家族と外に出かけていることが多いです。
【Q2】建築家を志したきっかけを教えてください。 小さいころから絵を描いたり、工作したりが好きだったので将来はモノづくりの仕事をしたいと思っていました。祖母から、すでに他界していた祖父が建築をつくる仕事に携わっていたことや、自分と同じように絵を描くことや、工作することが好きだった話を何度も聞かされるうちに、自然と建築に興味を持つようになりました。建築家という仕事をしたいと思ったのは、建築学科に入ってからたくさんの建築家の作品に触れた経験が大きく、大学3年生になる頃には将来建築家になりたいと思っていました。
【Q3】一級建築士の資格を取るために、どんな勉強をされたのでしょうか? 建築士の試験は学科試験と製図試験があります。大学卒業後数年は仕事が忙しく、学科試験はほとんど勉強せずに受けたこともありますが、さすがに受かりませんでした(笑)。20代後半になり、同級生が一級建築士の資格を取り始めていたことに少し焦りを覚え、一念発起してしっかり勉強して学科試験を受けることにしました。毎日勤務から帰ってくると2~3時間勉強をして、週末は近くの図書館に朝からこもってひたすら過去問に取り組んでいました。その甲斐あって学科は無事に受かることができました。しかし、製図試験は思ったよりも苦戦してしまい、3回目のトライで無事に合格できました。
【Q4】住宅をデザイン・設計をする際、お客様とどのようなコミュニケーションを行っていますか? 注文住宅はそのお客様の理想のライフスタイルを表現する場所です。さまざまな好き、嫌いを伺って時間をかけて形にしていきます。建築は芸術に近いように思われることもありますが、施主があっての建築ですのでお客様とのコミュニケーションがとても大切です。設計を進めていく中で、重要な打合せは必ず対面で行い、イメージパースや模型、図面を使い、お客様とコンセンサスを図るようにしています。
【Q5】日本の建築デザインが世界と比べて優れている、または劣っているのはどのようなところですか? まず、日本は地震や台風を含めた自然災害が多いため、総じて世界に比べて災害に強い建築が求められます。また、建築の法規制が多いためデザインの自由度も高いとは言えません。そのため、機能性を優先させたハウスメーカーの住宅が立ち並ぶ日本の住宅街は、景観的にヨーロッパの街並みと比べるとかなり劣っています。ただ、一方で災害や法規制の多い環境で鍛え抜かれた建築家も数多くいるため、海外の建築にも負けないような新しい建築デザインが次々に誕生しています。
【Q6】最近はどのような案件を取り扱っていますか? 現在、事務所で取り組んでいる案件は共同住宅、個人住宅、公共施設です。それ以外にも戸建てを旅館に改修したり、保育園を地域図書室に改修したりという話も進行しています。この先、新築の割合は減っていくと見込まれていますので、既存建物を利用するような改修設計にも積極的に取り組むようにしています。
【Q7】最近のお仕事の中での失敗談や面白かったエピソードを教えてください。 以前、参加しなければいけない遠方の工事現場の定例会議が1日ずれて予定してしまっていたことがありました。事務所で作業している時に、現場監督から電話があり「いつごろ到着されますか?」と言われて焦りました。すぐに出発しても2時間近くかかる現場だったため、臨時でパソコンのオンラインアプリでつないでもらい何とか30分遅れで会議をスタートできました。10年前だと遅れてでも現場に向かわないといけない状況でしたが、その時ほど便利な時代になってよかったなと思ったことはありません。
【Q8】大学で講師もされていますが、学生に建築を講義する上で心掛けていることを教えてください。 大学では建築設計という授業を担当しています。授業の中でよく学生に話していることは、可能な限り様々なデザインの可能性や設計案を検討することです。建築は一つの正解というものはありません。同じ敷地でもクライアントの要望、設計者の思想が違えばその解は無数に存在します。その中で常に最善の解とは何かを求めて、設計者は様々な可能性や案を考えておく必要があります。学生にも将来の実務につながるように、設計課題の中で常に複数の案を考えるように指導をしています。
【Q9】一級建築士の魅力とは何でしょうか? まず一級建築士という資格の意味では住宅から超高層ビルまで全ての建築の設計ができることです。いろいろなお客様とこれまでに取り組んだことのない建築にも挑戦できるという楽しみがあります。建築士としての魅力という意味では、自分が描いたイメージが建築という人を包み込む大きさのものとして形を成すことです。そして、その建築が人の寿命と同等かそれ以上の歳月に渡って使われ続けることも意義深いです。ひとつのプロジェクトにかける労力は大変なものですが、それだけに完成後にクライアントや利用者から喜んでもらえる時が一番の至福です。
【Q10】最後に事務所のPRをお願いいたします。 今回、まちの専門家グループの一員として活動させていただくことになったのは、「建築士という存在をもっと多くの人に身近に感じていただきたい」と思っていたからです。建築士は、建物をつくるときの専門家でもあり、建物のアフターケアもできるお医者さんのような存在です。住宅に限らず建築のことで困ったことがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください!
- 地元・川崎をこよなく愛する小川先生。川崎市内でも先生が手掛けた作品を多く目にすることができます。
現場にも足しげく通う小川先生(左)。一緒に住宅を建てる経験はとても楽しいものになるはずです。
- 一級建築士事務所 小川貴之建築デザイン
〒211-0041 神奈川県川崎市中原区下小田中1-25-14